【こどもインタビュアー取材】“ゲーム=遊び=勉強の敵” ではない。eスポーツの魅力と良さを発信するeスタジアム/南海電気鉄道株式会社

今回は、eスポーツ事業も展開されている南海電気鉄道株式会社にこども達が伺い、経営戦略グループ eスポーツ事業部 主任 兼 eスタジアム株式会社 事業推進部長 山本さんにお話を伺いました。

「電車に乗ってわざわざ行きたくなる場所を作りたい」という想いから誕生したeスタジアム

南海電気鉄道はどんなことをしている会社ですか?

南海電気鉄道株式会社は、電車の会社です。特急ラピートとか、知っているでしょうか?
そういった、電車を走らせる会社なのですが、建物を作ったり、売ったり、また、電車に乗って行って買い物できる場所や遊べる場所を作ったりして、街を大きく発展させる仕事をしています。

そして、グループ会社となるeスタジアム株式会社は、eスタジアムというeスポーツ総合施設を運営しています。ゲームをプレイするみんなが安心して楽しめる環境を提供して、eスポーツが生活の一部となるように、様々なeスポーツイベント企画や、実施を行っています。

またゲーム依存症などの問題にも目を向け、神戸大学の教授と共にメンタルヘルスセミナーなど開催し、青少年の健全な育成に取り組んでいます。

eスポーツって何ですか?

みんなはテレビやパソコン(機械)を使ったゲームをしたことはありますか。
eスポーツはテレビやパソコンを使ってゲーム上で対戦し、勝ち負けを決めるスポーツ競技の名前です。外国では優勝賞金が何億円にもなるような大きい大会が行われるなど、世界中で盛り上がりを見せています。

鉄道会社なのにどうしてeスポーツの事業をしているのですか?

新型コロナウイルスが流行し、たくさんの人が会社に行かなくなって家で仕事するようになったでしょう。そうすると、みんな電車に乗らなくなったんですね。その間、電車をたくさん走らせることができなくなったので、新しいビジネスをスタートさせよう、となったのが、eスポーツの事業です。

みなさん今日、難波まで来てくれたんだけど、この場所を、みんながわざわざ、遠くからでも来たくなる場所にしたいって思ったのも理由のひとつです。難波にeスポーツが楽しめる場所があったらきっとたくさんの人が来てくれるようになるんじゃないかと思い、eスタジアムを作りました。

山本さんのお仕事内容を教えてください。

私は、eスポーツに興味を持ってくださっている行政や、学校などとeスポーツの橋渡しをしています。eスポーツを活用してみたいけれど、どうしたら良いか分からない、という方をサポートし、eスポーツを一つのコンテンツとして、課題解決に繋がるきっかけ作りのお仕事をしています。

一人でも多くの方々にeスポーツの良さを知っていただけるように

仕事をして楽しいなぁと感じるときはどんなときですか?

お客様に「ありがとう」と言っていただける瞬間です。お仕事をしていると、お金をいただきますよね。でも、それ以上に、感謝されると嬉しいなぁ、楽しいなぁと感じるんです。

仕事をしていて大変だなぁと思うことはありますか? 

私のような世代の人には「eスポーツ? 所詮ゲームでしょ」と言われたり思われたりするのですが、そんなときは苦労を感じます。実は私もこの仕事をするまではその一人でした。この環境を打ち破るのにはもう少し時間がかかるのかなと思います。

ですが、eスポーツに触れ、真剣勝負をしているその姿を見たとき、私自身が中学時代にバスケットボール部で経験したことと重なる点が多くありました。一人でも多くの方々にeスポーツの良さを知っていただけるようにこれからも頑張ります。

仕事で思い出に残っていることはありますか?

仕事を初めてしたときは、遊園地で働いていました。その後、駅員さんの仕事をして、それから今の仕事をしています。
遊園地には動物園が併設されていたのですが、そこで働いていると、動物の出産に立ち会えたりと、普段の生活では見ることのできないことを見て体験することができました。

今の仕事だと、2023年の3月と6月に大きなeスポーツイベントが開催され、南海電鉄とeスタジアムが関西特別パートナーとして参加したことが思い出に残っています。2日間分6,000枚のチケットが約4分で完売するような大規模な大会を目の辺りにでき、実際に会場で体感できたことが印象に残っています。

観戦には青少年の皆様から大人の方まで幅広い年齢層の方が、また全体の約4割は女性の方がお越しになるなど、年齢・性別問わず、選手達の熱い戦いを必死に応援する姿で会場が一つになっていた光景はまさに「スポーツ」と言われる所以であると確信ができました。

山本さんがこどものころ好きだったこと、夢中になっていたことはなんですか?

小学生の時は、空き地や公園に友達と集まりプラスチックのバットにペコペコのボールで行う野球に夢中でした。今まで本格的に野球はしたことはないですが、野球のルールはそこで自然と身に付きました。

現在のこどもたちは空き地やグランドが減り、クラブチーム等に入らなければ野球のルールも知らないまま大人になる方もいると思います。一方でゲームをプレイしているこども達が増え、私が野球のルールを身に付けたように自然にゲームのルールを身に付けています。そんなこどもにパソコンの使い方を少し教えてあげるだけで上手くプレイし周囲を驚かすことがあります。

もしかすると、多くのこども達が既にゲームをeスポーツとして始める準備ができていて、あとは大人が力を合わせ仕組み作りをすればeスポーツ後進国と言われる日本も一気に駆け上がれるのではないかと思っています。

小学生のころの夢を教えてください。

小学生の時、大人になればパイロットになりたいと思っていました。が、英語力の無さに早々に諦めました。その後工業高校へ行き就職となりましたが、いざ求人を見ると工場などが多く、作業自体は嫌いではないのですが一生の仕事にするなら「みんなとは違う仕事をしてみたい」と思いこの会社を選択しました。

最初の配属先は『みさき公園』という遊園地で、そこに約14年勤務しその後、本業の鉄道部門に異動となり、駅でも約14年勤務しました。

そして2022年6月に社内公募にて募集のあったeスポーツ事業の仕事に就きました。eスポーツは色々な国の人達とも繋がることができるので、外国語でのコミュニケーション能力が上がったりする人もいます。

もし私がこどものころ、eスポーツがあったなら、英語でのコミュニケーションも上達して、パイロットになれたかもしれませんね。
みなさんも、英語ができたら、仕事の幅も広がると思いますよ。

『スポーツマンシップに則りプレイをすること』でeスポーツも認められる存在に

今の夢や目標を教えてください。

私の働いている会社はeスタジアムという会社名ですが、eスタジアムという大きなスタジアムを作って、日本のみならず世界からプレーヤーや観客を集めて大きな大会が開かれたら良いなと思っています。

会社としての目標を教えてください。

私たちの会社は、ゲームを安心してできる環境を整え、ゲームをしている人達を大切にしていこうと頑張っています。ゲームをスポーツとして行うことで、生活の一部の大切なものなんだとみんなに思ってもらいたいんです。

例えば、【ゲーム=遊び=勉強の敵】ではなく、ゲームがあることで人が集まり、同じ話題で新しく友達ができたり、ゲーム内で起こる問題を考えたり解決することで身に付く力など『良いこと』を多くの人達に伝え、知っていただくことで、お年寄りからこどもまで全ての人にゲームで得られる『良いこと』を提供できるようにしていきたいと考えています。

こども達に向けて、メッセージをお願いします。

ゲームってとても楽しいものですよね。時間を決めていてもあっという間にその時間が来てしまい怒られるまでやってしまったりはしていないでしょうか。

ゲームはただ楽しいという気持ちだけで遊んでいると、ゲームが止められなくなる病気になってしまうことがあります。また、インターネットで簡単に知らない人とも繋がるため、汚い言葉で仲間や相手を傷つける悪い人も中にはいます。

しかし、薬やお酒もそうですが正しく使えば人間にとても良い物ですが、間違った使い方をすれば毒にもなってしまいます。それはゲームも同じだと考えています。

例えばサッカーをしていてルールを守らず手でボール持って走り回り『なんか文句あるのか!!』と大声で叫ぶ人が居てたら楽しくないですよね。ゲームも一緒で「eスポーツ」としてプレイし、大人の人にも認めてもらうようにしていくためには、『スポーツマンシップに則りプレイをすること』が一番大切な事であると私は思います。

ゲームのルールや家族とのルールを守り、チームの仲間や戦った相手にも感謝の気持ちを持ちながらその中で最大限に楽しみ成長し、心身ともに強くなってほしいと思います。

南海電気鉄道株式会社
鉄道・不動産事業を主軸とし流通やレジャーなどのサービスを提供する総合生活企業。2022年に誕生したeスタジアム株式会社は、様々な人がeスポーツを通じて交流できる「eスタジアム」を全国に5店舗展開。様々なeスポーツイベント企画や、実施を行っている。
南海電鉄:https://www.nankai.co.jp/
eスタジアム:https://e-stadium.jp/

インタビューに答えてくださった方

南海電気鉄道株式会社 経営戦略グループ eスポーツ事業部 主任 兼 eスタジアム株式会社 事業推進部長 山本和幸様

こどもインタビュアーから一言

るい
インタビューの仕事は緊張したけれど、頑張れて楽しかったです。南海電鉄は電車の会社だと思っていたけれど、eスポーツの会社でもあるんだとインタビューをして初めて知りました。僕はいつかeスポーツの選手になりたいです。

Kan&Rei
最初はeスポーツのことを知らなかったけれど、インタビューで「eスポーツは若い人からたくさんの年齢の人がしている」ということを知ったのでとても良かったです。インタビューをして、時々見ている新聞の記事のインタビューをしている人の大変さを知りました。

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