【大学生インタビュアー取材】ものづくりのクオリティの高さを強みに、世の中にとってなくてはならない企業に/ミキハウス

今回は、こども服やファミリー関連商品の企画・製造・販売を行っているミキハウスの2024春夏展示会に大学生インタビュアーが伺い、MD本部商品MD チエコサクブランド担当マネージャーの前田さんと、広報部の山﨑さんにお話を伺いました。

日本で長く親しまれてきたミキハウスが世界のMIKI HOUSEに

ミキハウスの事業内容について教えてください。

こども服及びこどもを取りまくファミリー関連商品の企画・製造・販売を基幹事業とし、出版・教育・子育て支援などの文化事業やスポーツ支援など、幅広く事業を展開しています。

グループ企業には、出版事業や「ミキハウス キッズパル」などの教育事業を行うミキハウス子育て総研株式会社などがあり、海外にもフランス、アメリカ、イギリス、シンガポール、台湾に現地法人があります。

お二人のお仕事内容を教えてください。

(前田さん)2018年にミキハウスに入社し、現在は商品MD部でチエコサクブランド担当マネージャーとして働いています。商品MD(マーチャンダイザー)とは、商品を生み出すところから、お客様の手元に届いた後までのストーリーを描く仕事です。ブランドや商品のコンセプト設計から、生産・販売計画、売り方・魅せ方の提案などを行い、「あの商品が欲しい!」と思っていただける仕掛けを戦略的につくり上げていきます。
またSNSなど活用したブランドイメージ発信の指示といったプロモーションにも関わります。

(山﨑さん)2019年に入社し、ミキハウスの本店、生産管理部を経て、現在広報部として、ミキハウスブランドの価値を社内外に発信する仕事をしています。
テレビ、新聞などのメディアの窓口として取材対応を行い、ミキハウスブランドの価値、認知向上に向けて、世界に発信しています。

2024SSコレクションについて教えてください。

展示会は、会社の方向性をお伝えする大切な場所です。自分たちはこういう風に表現していきたいとか、こういうことを大事にしていきたいとか、そういった、会社の想いをお取引先様にお伝えしています。

毎回、展示会に向けて、1年半前くらいから企画を始めます。どんなコンセプトで、お客様にどんなことを伝えたいか、ということを考えることから始まります。

「チエコサク」は、こどもたちの自由な発想を大事にしたいという想いを持ったブランドなので、毎シーズン、こどもたちが発想しそうな夢をテーマに商品を展開しています。今季は、2024年春夏コレクションのテーマ「ピンク色の空を見てみたい」を、レースや装飾で商品に落とし込みました。商品を作るときは、お客様にどんなシーンで着てもらいたいかを考えます。今回は春夏ということで、お子さまが楽しみしている夏休みの旅行をイメージしながら、清涼感溢れるアイテムに仕上げました。

ミキハウスでは、ちょっとお洒落したい日に着るラグジュアリーなブランドから、毎日たくさん着ていただけるカジュアルなブランドまで、様々展開しており、幅広い層の方にご愛用いただいています。

ミキハウスの新しい取り組みについて教えてください。

現在(2023年現在)、ショップは世界に98店舗あるのですが、支社は、アメリカ、フランス、イギリス、シンガポール、台湾にあり、さらに拡大しています。直営店をオープンするにあたり、現地法人の立ち上げを行っています。これまで“日本のミキハウス”のイメージが強かったと思いますが、今では世界でもミキハウスの価値を理解していただけるようになりました。

また、アパレル事業だけではなく、プレママ、プレパパ向けのセミナーを開催したり、お子さまの健やかな成長を感じていただくために足の計測会を行うなど、我々だからできる活動を行っています。

世代を超えたお下がりができる商品・愛情をつないでいける商品を扱っているのはミキハウスの誇り

仕事をしていて楽しかったと思うことを教えてください。

仕事で楽しいと感じるのは結果がでたときです。

売上に伸び悩んでいたウィンドブレーカーを、なぜ売れないのか、どのように改良したらよいのかを試行錯誤し、失敗を重ねたのちに、私が提案した改良案で売れたときや、売り上げの数字として結果が出たときに、頑張って良かったと思います。お客様に喜んでほしい一心で作った商品を本当にお客様が買ってくれて売上の数字として表れたときに、それまでの苦労も含めて初めて楽しいと感じることができます。

自分の理想通りになったからといって楽しい、のではなく、売上など結果につながらないと楽しいとは思えません。そこが、趣味と仕事との違いだと思います。

仕事をしていて大変だなと思うことはどんなことですか?

楽しかったことの反対ですが、ヒット商品をつくることは本当に大変だなと日々感じます。

私たちは100%の想いをのせて商品をお店に送り出しているのですが、それでも売れないということがあります。買ってもらえないというのは絶対に何か原因があって、その原因は1つではないかもしれません。それを見つけ出すのがとても大変です。

20~30店舗に足を運んでインタビューをしたり、お客様の動向を観察したり、他ブランドのリサーチなどをします。お客様のニーズを探って売れる商品を生み出すのは簡単なことではなく、とても苦労があります。しかし、だからこそ、売れたときにはとてもやりがいを感じます。

大変なことを乗り越えたときに、楽しさや、やりがいを感じます。苦労して生み出した商品を手に取ってもらい、「このお洋服がお気に入り!」とお子様が嬉しそうに着てくれる瞬間は何にも変え難い喜びです。

仕事をしていて思い出に残っているエピソードを教えてください。

世代を超えておさがりされたミキハウスのトレーナーを着てご来店されたお客様がいらっしゃいました。おばあちゃまがお子様に着せていたトレーナーを、お子様が親になったときに、またそのお子様に着せてくれているというのです。「大事に保管していたらいつまでも丈夫だから孫にも着せることができたのよ」というお話をしてくれました。

お客様の思い出の中にミキハウスがあって、その思い出を、世代を超えてつないでくれていることをとても幸せに感じました。こどもの成長は早く、短い期間だから使い捨てでよいというのではなく、世代を超えたお下がりができる商品・愛情をつないでいける商品を扱っているのはミキハウスの誇りです。改めて実感し、より良い商品をこれからも自信を持ってつくっていこうと思うことができたので、今でも印象に残っています。

学生のときに興味を持っていた職業、業種は今のお仕事と同じですか? また、夢を叶えるために努力したことを教えてください。

同じです。商品を作ったり、世の中に新しいものを生み出したりする仕事ってすごいな、楽しそうだなと考えていました。

そのお仕事をするために、何の商品に興味があるのか、商品を作る仕事を通して誰のためになりたいのか、どのような価値を伝えたいのか、を具体的にしました。

また、自分の得意としていることを明確にして、どのように生かせるかのイメージをしました。逆に足りない能力があれば、その力を身に付けるべく勉強しました。

学生の頃に思い描いていた仕事のイメージ、働くことのイメージと相違はありましたか?

相違はありました。
会社・サラリーマンというと、毎日がしんどそうで、やりたいことができるわけじゃないというイメージでした。嫌でも無理に働いて、生きていくために仕事をしているマイナスなイメージが大きかったです。

実際は、もちろんしんどいこともありますが、その分やりがいや達成感もあります。学生のころよりも、社会に対して影響力のあることができるので楽しいです。やりたいと思ったことも、本気でやろうとすればできます。すぐに形にならなくても、努力を続けていれば急にチャンスが訪れることもたくさんあります。生きていくためにというより、日々のやりがいのために働いている人も多いです。いい意味で大きなギャップがありました。

学生時代には、一生懸命になれる経験をたくさんすること。そこで得たものは一生の宝

「学生の今だからこそしておくべきこと」のアドバイスをいただけますか?

アルバイトやサークル、勉強など、何でも良いので、一生懸命になれる経験をなるべくたくさんしてほしいと思います。一生懸命やって得たものは一生ものです。その時に関わった人もすべて財産です。そのような頑張った経験は、将来自分の自信につながるはずです。

会社でも一生懸命になる経験はたくさんありますが、どうしても結果や成果を出すことが目的の「仕事」になってしまいます。何が得られるのか、報われるかどうかわからない中で、何のためでもなく、好きだからやる、頑張りたいから挑戦する、というのは今しかできない経験だと思います。学生のころの一生懸命は何にも変え難い経験です。

また、旅行、特に海外旅行もしてたくさんしておくと良いと思います。いろんな世界を見ておくことは、やりたいことや興味のあることを発見するきっかけにもなるし、いつか何かのヒントになると思います。金銭面などの心配もあるとおもいますが、社会人になったら収入があるので、少しぐらい奮発してでも行ってみたいところには行っておくべきです!

学生の純粋な感情ならではの気づきもあるはずですので、ぜひいろんな世界を見ておいてください。

現在の夢や目標を教えてください。

(前田さん)今の夢は、チエコサクを着た笑顔いっぱいのお子様を道端で見ることです。SNSにあげてくれている着用画像を見るのも嬉しいことですが、早く実際にチエコサクを着ているお子様に会ってみたいです。そしてチエコサクをもっと多くのお客様に広め、世界中のこどもが、「これが欲しい!」と選びたくなるブランドにすることが目標です。

会社としての目標は、世界中のこどもと家族を笑顔でいっぱいにすること。ものづくりのクオリティの高さを強みに、世界中にミキハウスを広め、世の中にとってなくてはならない企業になること。

(山﨑さん)目標は、世界中の人にミキハウスのクオリティや魅力をお伝えし、ミキハウスのお洋服を着ているだけで嬉しい気持ちになっていただけるようなブランドにすることです。

最後に、これから社会に出ていく学生たちに向けてのメッセージをお願いします。

社会に出ていく前に一度、「自分」と向き合ってほしいと思います。
自分には夢がない、○○が苦手だけれど大丈夫だろうか、そんな風に周りと比べて欠点ばかりを気にしていませんか?
社会に出ることを真剣に考えるみなさんこそ、そんな時があると思います。でも、そんな今だからこそ、自分を見つめる時間にしてみてください。

自分は何が好きなのか、何がちょっと得意なのか、何にときめくのか、どんな瞬間に幸せを感じるか。たくさんたくさん自分を理解して、どれも大切にしてください。社会人生活、今と同じように不安になるときや、もっと大変な場面がたくさんあります。そんな時に、「自分」を見失わずに力を発揮できる人はすごく強いです。みなさんが今すでにもっているたくさんの魅力を一度見つめてみてください。

ありきたりに聞こえてしまうかもしれませんが、みなさんの可能性は無限大に広がっています。どうか自分自身で可能性を狭めることなく、やりたいことに挑戦できますように。通過点の一つとして、悔いのない決断ができることを祈っています!

(2023年9月取材)

三起商行株式会社(ミキハウス)
こども服及びこどもを取りまくファミリー関連商品の企画・製造・販売、及び出版・教育・子育て支援などの文化事業を行う。こどもたちの健やかで豊かな成長を願い、様々な企業活動を実施している。
https://www.mikihouse.co.jp/

インタビューに答えてくださった方

MD本部商品MD チエコサクブランド担当マネージャー 前田真奈様
広報部 山﨑由美子様

大学生インタビュアーから一言

梅原恋子
展示会では、実際に商品に触れさせていただき、素材の良さを体感してきました。それでいてデザインも可愛い…。インタビューでは、モノづくりをするにあたってこどもたちへの想いやキャリアについてお聞きすることができ、私も志を持った社会人になりたいと思いました。

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