【大学生インタビュアー取材】医療現場の声を聞き、新しい製品やサービスを生み出すことで社会に貢献/株式会社湯山製作所

今回は、調剤機器を中心に、各種薬剤業務を支援するシステム及び設備や、電子カルテ・滅菌器等の診療所向け製品を開発、製造する株式会社湯山製作所に大学生が伺い、開発部電子ソフト1課 吉田渚月さんにお話を伺いました。

自社開発のモノづくりにこだわり、開発から生産、販売、アフターサービスまでの一貫体制を構築

湯山製作所の事業内容について教えてください。

患者さんを支える医療従事者の方々のために、薬局・病院・診療所に対し分包機を始めとする調剤機器や、各種薬剤業務を支援するシステム及び設備や電子カルテ、滅菌器などの製品を製造販売しています。お客様の声にお応えできる自社開発のモノづくりにこだわり、開発から生産、販売、アフターサービスまでの一貫体制を構築しています。

吉田さんのお仕事内容を教えてください。

私は現在、錠剤分包機のソフトウェア開発を担当しております。分包機は、適切な薬の量を測ってそれを包む機械なのですが、その機械に対して、どういう指示を出すとどんな動作をしてくれる、ということを考えるのがソフトウェア開発の仕事です。

新製品開発から既存製品の要望対応まで幅広い業務を行っています。錠剤分包機といっても、たくさんの種類や様々な機能を搭載しているため、知れば知るほど奥が深いのがこの仕事の特徴です。

学生時代に出会ったロボットコンテストでモノづくりの魅力に目覚め、今の仕事に

仕事をしていて楽しいと思うことを教えてください。

自分が試行錯誤を繰り返してやっと作ったソフトウェアで実際に機械(モノ)が動いている場面に立ち会えるという楽しさがあります。また、新製品開発が始まるときは、いつも新製品のリリースが楽しみでわくわくします。

仕事をして失敗したな、と思うことはありますか?

初めて新製品開発に携わったとき、他部署との連携、機械に対する認識の擦り合わせが上手く行えず、機械に必要な機能を作ることができていませんでした。その結果、進捗状況に影響を出してしまい失敗したことがあります。
また、初めての新規開発だったため、計画のプロセスを理解できていないのにもかかわらず、一人で抱え込んだことも原因でした。その事に気付いた私は、上司やプロジェクト関係者に意見を求め、関係者の意見を基に調整をはかったことでスムーズな進行が可能になりました。その失敗を経験しそれからは、他部署、関係者へのコミュニケーションを大切にするよう心がけています。

仕事をしていて思い出に残っているエピソードを教えてください。

病院終わりに処方箋を持って薬局に薬をもらいに行ったとき、待合室から調剤室が覗けるようになっていて、自分が担当している製品が置かれていたことです。実際に自分の作った製品が、社会に出て人の役に立っているのを目にすると、喜びと仕事へのやりがいを感じました。

学生のときに興味を持っていた職業、業種は今のお仕事と同じですか? どのような経緯で現在の仕事に就いたのか教えてください。

学生の頃は、仕事に対してあまり興味を持っていませんでした。ですが、私が今の職業、業種に興味を持ったのは、学生時代にETロボコン大会に参加したのがきっかけです。C言語を学んでいただのですが、初めてロボットに触れ自分でプログラムを作りロボットを動かすということをしました。最初は、うまくいかず何度も投げ出してしまいそうになりましたが、ロボットが自分の思い描いていた動きをしてくれたときは、本当に嬉しかったです。そこで初めてモノづくりの魅力に気付き、将来はモノづくりに携わる仕事がしたいと思うようになりました。

また、父が通院を繰り返していて、毎日たくさんの量の薬を飲んでいたので、医療機器の業界に携わることができたら、と思うようになりました。モノづくり×医療機器で、今の仕事をしています。

この会社を選んだのは、アットホームな雰囲気に惹かれたため。温かい雰囲気に魅力を感じ、湯山製作所で働くことを決めました。

学生の頃に思い描いていた仕事のイメージ、働くことのイメージと相違はありましたか?

学生の頃は、キャリアウーマンのようにスーツ姿でバリバリ仕事をこなし自分の仕事に誇りを持って働く女性をイメージしていました。今は、作業服に身を包みパソコンを手に機械に向かっている仕事ですが、私は自分の仕事に誇りを持っているので、その点では、学生時代に思い描いていた仕事のイメージに少しは近づけているのではないかと思います。

学生時代にいろいろなことを経験することで、好きなこと、極めたいことが見えてくるはず

「学生の今だからこそしておくべきこと」のアドバイスをいただけますか?

学生のうちは、たくさん遊んだほうがいいと思います。社会人になると業種によっては、友人との予定が合わせにくかったり、次の日仕事で夜更かしできなかったりと、学生に比べて行動や時間が制限されます。
また、学生のうちに人との関わりを増やすことで新たな発見があったり、学びがあったりするので自分の成長に繋がるかもしれません。

現在の夢や目標を教えてください。

会社としての目標は、今後もお客様の声と最新技術を鑑みて、これからの時代に求められる製品を開発していくことです。

現在、私たちの機械は薬剤師の方が使ってくださっています。薬局でみなさんがよく見かける薬剤師さんの姿は、棚から薬を取り出して患者さんに渡すというものだと思いますが、実は薬剤師の方々は非常に高い専門知識を持っています。これからお医者さんがさらに不足すると言われている中、薬剤師さんに治療の現場にもっと携わっていただこうというのが世の中の動きです。
そのため、薬を集めるという作業の部分をもっと簡単にできないか、ロボット化できないかという要望が来ています。そこで、薬剤師さんの“薬を集める”、“薬を間違えずに患者さんに渡す”という部分を我々の機械が担当できないかと、期待を寄せられています。

最後に、これから社会に出ていく学生たちに向けてのメッセージをお願いします。

無理をすることが一番やってはいけないことなので、気負わず気楽に自分らしさを大切に頑張ってほしいと思います。

私は学生時代にロボコンに興味を持ち、それを突き詰めることでやりたいことにつながりました。みなさんにも、ぜひ、自分がやりたいこと、興味のあることにはどんどんチャレンジしてみることをおすすめします。いろいろなことを経験することで、好きなこと、極めたいことが見えてくるはずです。ダメかもしれない、と思わず、何でも挑戦してみてください。

株式会社湯山製作所
散薬の分包機を始めとした調剤機器を中心に、各種薬剤業務を支援するシステム及び設備や、電子カルテ・滅菌器などの診療所向け製品を販売。お客様の声にお応えできる自社開発のモノづくりにこだわり、開発から製造、販売までの一貫生産体制を構築している。
https://www.yuyama.co.jp/

インタビューに答えてくださった方

開発部電子ソフト1課 吉田渚月様

大学生インタビュアーから一言

梅原恋子
医療を支えるため常に進化を続ける姿勢をみせていただきました。社員の方々の生き生きと働いておられる様子が印象的です。好きなことをしごとにつなげ社会に貢献されているお話を聞き、自分の本当にやりたいことは何か見つめ直したいと思いました。

薮内麻帆
薬剤師の手助けとなる効率的な機械を作り、医療に貢献されていることに感銘を受けました。実際に、お話を伺ったり、機械を見せて頂いたりして、長い年月をかけて挑戦されてきた歴史を感じるとともに、医療に貢献するというのは、簡単なことではなく、研究や話し合いなど、日々の努力によってあるものだと感じました。学びのある貴重な機会でした。

シェアしてね!!