今回は、建築用・自動車補修用・工業用・家庭用塗料及び接着剤の製造販売を行っているロックペイント株式会社にこども達が伺い、営業戦略企画部 塗装工事グループ グループリーダー課長代理の藤原さん、大阪技術部 車両グループの西村さん、大阪技術部 プロジェクトチーム グループリーダー課長代理の光安さんにお話を伺いました。
環境にとっても人にとってもやさしい塗料を開発
ロックペイントはどんなことをしている会社ですか?
車用、建物用、工場での塗装用、自分で塗る塗料と、お菓子などのフィルムを重ね合わせるための接着剤を作って売っています。
車用には、キラキラ輝く塗料を作っています。車をなおすとき、実は5層以上の塗料でコーティングされているんです。自動車の色に合わせて、塗料を作っています。
みなさんのお仕事内容を教えてください。
(光安さん)建築用・自動車補修用・工業用・家庭用塗料及び接着剤の塗料、塗装など二酸化炭素の排出が削減できる方法の開発をしています。どういった塗料を作ったら二酸化炭素が減るのかな、ということを研究しています。
(西村さん)私は、体にやさしい塗料を作る仕事をしています。塗料の多くは溶剤を使用していますが、溶剤は環境にも人体にも悪影響を及ぼします。そこで私は環境にも人体にも優しい水性塗料の開発を行なっています。
(藤原さん)古くなって傷んだ家を守るためにこの塗料を塗ったら良いですよ、という提案をしたり、塗料を売ったりする仕事をしています。
環境にやさしい塗料はありますか?
ロックペイントでは、遮熱塗料と粉体塗料を作っています。
遮熱塗料とは
建物に塗ることで光が当たった時に温かいと感じる原因の太陽光の赤外線を反射し、表面温度を下げます。そうすることで建物の温度上昇が収まり、クーラーの消費電力が下がります。
粉体塗料とは
塗料は水やシンナーに溶かして使いますが、これは粉のまま、静電気で被塗物に塗りつけて、熱で溶かして塗膜になります。
塗料のシンナーは揮発性有機化合物といって、大気中に放出されると光化学オキシダントなどの大気汚染の原因になります。
粉体塗料はシンナーを全く含んでいないので人や地球に安全性の高い塗料と言えます。
このように、環境にとっても人にとってもやさしい塗料を作っています。
小学生のころに好きだった「理科」や「実験」が今のしごとに
仕事をして楽しいなぁと感じるときはどんなときですか?
(藤原さん)仕事をしていて楽しいことは、古くなって傷んだ家が塗料を塗ることによって綺麗によみがえるところが見えることです。
(西村さん)検討していたことがうまくいったときや自分の考えた方法で実機製造がうまくいったときはうれしくなります。
(光安さん)自動車補修用塗料で思い通りの塗色になったときなど、自分が予想した結果の通りの実験結果になったときに楽しいと感じます。
仕事をしていて大変だなぁと思うことはありますか?
(藤原さん)家を塗るための提案は決まった方法がないので、お家の人(お客さま)にとって良いと思った提案をその都度考えて行う必要があることが大変です。
(西村さん)開発は試行錯誤の連続でうまくいかないことのほうが多いのが大変です。
(光安さん)やったことがないことをするので、結果がどうなるか解らないし、分かるまで何回も実験することや、うまくいかないのではないかと思いながらも根気よく実験をするときは大変だと感じます。
仕事で思い出に残っていることはありますか?
(藤原さん)「この塗料を何個売ったか」ではなく、「何件のたてものを綺麗にしたか」というしごとは、その1つ1つに感動や物語があり、すべてが思い出に残っています。
(西村さん)お客さんの工場に行ったときに実際にロックペイントの塗料が塗られているところと、塗られた製品が組み立てられているところを見たとき、感動しました。
社会にロックペイントの塗料が塗られた製品が出ているんだと実感できました。
(光安さん)会社から、現場がどのように塗料を作っているかを想像して処方を考えるようにと教わったことが思い出に残っています。塗料一つにとっても色んな人が関わって製品になっているんだなぁと思いました。
こどものころ好きだったこと、夢中になっていたことはなんですか?
(光安さん)ぼくは勉強はそこまで好きではなかったのですが、理科だけは好きでした。1年生は「生活」という教科かな。虫を調べたり、植物を調べたり、実験したりするのが好きなこどもでした。塗料もこうして実験を繰り返すので、こどものころ好きだったことが、今、仕事になっていると感じています。
それから、『名探偵コナン』のような推理物も好きでした。
塗料を作るときも、何が問題なのかな? 何が悪いのかな? と考えます。原因不明の不具合は推理小説の犯人を見つけることに似ていると思います。そんなところも、今のしごとにつながっている気がします。
小学生のころの夢を教えてください。
(光安さん)こどものころ、おしゃべりもスポーツも得意ではありませんでした。でも、理科の授業だけは好きだったので、それだけは頑張ろう、誰にも負けないようにしようと思いました。
工作も好きだったので、この頃からモノ作りをして自分が作ったものを世に出したいと思っていた気がします。
自分が好きなこと、得意なことを活かせる仕事をしたいと、こどものころから思っていたんです。そして大人になり、理科の知識を活かしたり、ものづくりができるしごとを探して、今のしごとをするようになりました。
二酸化炭素を減らすためにロックペイントができること
今の夢や目標を教えてください。
(藤原さん)今の夢は、「世の中の役に立つ」人になることです。人間が生きていく上で欠かせない「衣食住」のなかで「住」は人々が安心して過ごすためにとても大切で、家を長持ちさせる提案を行うことによって「世の中の役に立つ」人になりたいと思っています。
(西村さん)環境や人体に優しい塗料をひとつでも多く開発すること。先輩にまだまだ頼ってばかりなので、周りの人たちから頼りにされるような人になることです。
(光安さん)塗料の主な機能は保護、機能性、美観が主な役割ですが、今までは保護や機能性を重視していたと思います。元々、塗料に限らず、他の製品もこれらの機能を重視して発展してきた物が多いです。これらの機能は客観的な部分が占めるが、美観は主観的な要素が占めます。そこが塗料の面白さであり、可能性を感じて個人的に塗料に興味を持ちました。
塗料の美観でどれだけ人に感動や影響を与えられるのかを研究し、塗料を作っていきたいと思っています。
会社としての目標を教えてください。
塗料は石油からできているんですが、石油を掘ると、地球の中から二酸化炭素がどんどん放出されます。石油から塗料を作り続けると、二酸化炭素が増え続け、地球が熱くなりすぎて人は地球に住めなくなります。そこで、二酸化炭素を減らそう、と、世界で決めています。ロックペイントも、その目標を掲げています。
ロックペイントでは、二酸化炭素を出さないために、石油以外から塗料を作る研究をしています。
こども達に向けて、メッセージをお願いします。
何事にもチャレンジしていってほしいと思います。チャレンジした結果、失敗したときは成長のチャンスですし、興味を持てなかったときは他のことにチャレンジすればいいと思います。とにかくたくさんのことを経験することがこどものときには大事なことだと思います。
また、最近は地球がなくならないように守っていこうと世界中の人たちが頑張っています。ロックペイントは化学メーカーとしてSDGsの目標12番「つくる責任、つかう責任」のつくる責任の取り組みに力を入れています。環境にやさしい製品をひとつでも多く作っていこうと思いますので、みんなはつかう責任の取り組みとして環境にやさしい製品を選ぶことで一緒に目標達成に向かっていってほしいと思います。
こどもインタビュアーから一言
まさき&ヒーロー
見たことがある車の塗料がここで長いこと作ってるんだと思ってびっくりしました。家の壁を塗る塗料もこの会社が作っているから僕のお家にも使ってるのかなと思いました。こんなに古くから会社が大阪にあるのがすごい!と、嬉しかったです。
ロックペイント株式会社
建築用・自動車補修用・工業用・家庭用塗料及び接着剤の製造販売を行っている。「高品質な商品とサービスの提供により新しい価値を創造」「人と環境の調和を図り、社会の持続的な発展に貢献」を経営理念とし、人にも環境にもやさしい商品やサービスを提供している。
https://www.rockpaint.co.jp/
ロックペイント株式会社
営業戦略企画部 塗装工事グループ グループリーダー課長代理 藤原利規様
大阪技術部 車両グループ 西村綾乃様
大阪技術部 プロジェクトチーム グループリーダー課長代理 光安勇人様